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ネットワーク技術者の備忘録―(6)ルーティングとは

皆さん、こんにちは。ネットワークエンジニアの坂田一です。
このコラムでは著者がネットワークエンジニアという仕事を通して得た知見や、普段の生活で役立つネットワークに関するミニ知識をご紹介しています。

今回ご紹介するのは、ネットワーク構築の基礎となる「ルーティング」です。ネットワークエンジニアを目指す方なら必ず学習する内容について、実際の設定例をお見せしながらご紹介します。

■ルーティングとは

正しい宛先へ通信パケットを転送するためのルートを決めることです。
筆者が後輩などに説明する際には、郵便物の例を使用します。東京都内から名古屋の知人に物を郵送する場合、相手先の住所を記載します。郵便物を受け取った事業所では、宛先毎に決められたルートに沿って別の郵便局へ送り、最終的に相手先に郵便物が届けられます。

ネットワークの世界でも同じことが行われています。具体的には、「郵便物」が「通信パケット」であり、「相手先の住所」が「宛先ネットワークアドレス」、「郵便局」が「ルータ」に該当します。

■ルートの設定方法

ルーティングは、ルーティングテーブルという、ルート一覧に沿って行われます。今回は、基本的なルートの設定方法をご紹介します。ルートは主に、「宛先ネットワークアドレス」と、「ネクストホップ」で構成されています。「ネクストホップ」とは、「受け取った通信を、次にどのルータに転送するか」を示したものです。

では実際にヤマハルータのルート設定コマンドを見てみましょう。

ヤマハルータではこのようにルートを設定しますが、ルートの設定コマンドはメーカや機種によって様々です。ヤマハネットワーク機器でも、ルータとL3スイッチ(ルーティング機能を持ったスイッチ)では設定方法が異なります。実際にルート設定を行う際には、設定方法を予め確認して下さい。

■デフォルトルート

次にご紹介するのは、ルート設定方法の1つである「デフォルトルート」です。
先ほどご紹介した方法は、「宛先ネットワークアドレス」と「ネクストホップ」を結びつけていました。「デフォルトルート」では、「ルートが設定されていない宛先ネットワークアドレス」と「ネクストホップ」を結びつけます。このルートを設定することにより、ルートが設定されていない宛先への通信パケットに対しては、デフォルトルートが適用されます。結果、転送先が不明なパケットの発生(通信エラー)を防ぐことが可能になります。参考としてヤマハルータでの設定方法をご紹介します。

■ルーティングの種類

技術者がルート設定し、そのルートに沿って行われるルーティングのことをスタティックルーティングと呼びます。手動で設定しているため、技術者が設定変更しなければ、ルート設定は固定されたままとなります。

技術者ではなく、ルータ自身がルートを設定し、状況に応じて自動で変更することも可能です。ルータが設定したルートに沿って行われるルーティングを、ダイナミックルーティングと呼びます。ダイナミックルーティングについては、次回以降のコラムでご紹介します。

■最後に

今回のコラムでは「ルーティング」の中でも基本的な内容をご紹介しました。ルーティング以外にも、ネットワーク機器の設定には様々な項目があります。最初は覚えるべき技術量に圧倒されるかもしれませんが、「ユーザーの仕事環境を支えるネットワーク」を構築するネットワークエンジニアは非常にやりがいのある職種です。

コラムを通してネットワークエンジニアという職種に興味を持って頂いた方は、AltX株式会社でより詳細な内容を聞いてみて下さい。ここでは紹介しきれなかったネットワークエンジニアの魅力が聞けますよ。

通信インフラエンジニアとは | AltX株式会社|未経験者向けIT研修「キャリテク!」採用サイト (kcct.co.jp)

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