MAGAZINE

キャリテク!マガジン

コラム

クラウドでゲームサーバーを立てよう(2)サイジングの基本

こんにちは、泉です。

前回は「自分専用のゲームサーバーを立ててクラウドに慣れよう!」の第一歩として、サービスの選び方をご紹介しました。

今回はゲームサーバーを立てるためにも必ず必要となる、サイジングについて考えたいと思います。

クラウドサービスのプラン、料金は利用するリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク転送量など)によって左右されます。

クラウドにおけるサイジングとは、端的に言えばこのリソースを見積もり用意することです。

そのため、どのサービスを利用する場合であっても避けて通ることはできません。

まずは最小限からスタート

自分専用のゲームサーバーを立てる場合の基本は、必要最小限のリソースからスタートすることです。

リソースは多ければ多いと思われるかも知れませんが、一定を超えるとその効果は感じにくくなり、コストもかさみます。

クラウドでは一般的に「スケールアップ」によって後からリソースを増やすことができますので、まずは最小限のリソースで始めましょう。

確認すべきこと

利用人数

ゲームサーバーに必要なリソースは、そのサーバーの利用人数によって大きく左右されます。
始めはご自身や少人数に限定した方が良いでしょう。

サーバーの要件

ゲームの開発元から提供されるサーバーには、そのサーバーを動作させるために必要な要件、スペックの目安が示されているはずです。
以下のような項目を確認しましょう。

  • OS (Unix(ディストリビューション)、Windows)
    Windowsは外部からの接続数がライセンスによって制限されることに注意する必要があります
  • CPU
  • メモリ (RAM)
  • ストレージ (HDD、SSD)
  • ネットワーク速度

例:Minecraft

今回はJava版 Minecraft サーバーを例に考えてみます。

まずは、このページからリンクされているWikiのチュートリアルページに目を通しましょう。

読み進めていくと、専用サーバー要件に辿り着きます。

ここでいくつか選択肢があることが分かります。

WindowsかUnixか

前述したとおり、Windowsは外部からの接続数がライセンスによって制限されています。

また、一般的にクラウドのWindowsプランはUnix/Linuxに比べて高額です。

Unixを選択することをお薦めします。

GUIかCUIか

Minecraftの場合、サーバープログラムを起動する際にGUIかCUIか選択することができます。

GUIは画面表示のためにCUIよりも多くのリソースを必要とします。

ゲームサーバーに限らず、サーバー用途のプログラムはリソースの有効活用のためにもCUIを採用することが多いため、CUIを選択することをお薦めします。

要件の確定

利用人数とOS、GUI/CUIが決まれば要件が決まります。

今回は利用人数3人で、Linux上にCUIでサーバーを立てるとします。

すると、ページの表から次のように要件が確定します。

ただし、これはサーバーのみの要件と記載されていますので、実際には余裕を持つべきでしょう。

  • CPU
    Intel Pentium 4 2.0 GHz or AMD Athlon-Based CPUs and better
  • メモリ
    512MB
  • ストレージ
    HDD 2GBの空き
  • ネットワーク速度
    Up 3Mbit/s、Down 2Mbit/s

インスタンスタイプを選択する際の考え方

クラウドサービスによっては、プラン、インスタンスタイプに以下のような選択肢があります。

  • 一般用途向け/汎用
  • 経済的
  • メモリ最適化
  • 高速コンピューティング
  • ストレージ最適化

これは実行するアプリケーションの特性によっては必要なリソースに偏りがあるため、それらに最適化するために用意されている選択肢です。

今回のような個人的用途、入門の用途では、「一般用途向け/汎用」「経済的」といったキーワードから選択するとよいでしょう。

これらのタイプは、一般的にコストが低く、リソースも平均的に割り振られていて扱いやすいためです。

クラウドサービスのプランに当てはめる

要件が決まりましたら、要件を満たすクラウドサービスのプランに当てはめてみます。

前回ご紹介したクラウドサービスで見ていきましょう。

AWS EC2

12か月間無料枠の対象でもあるEC2 T2インスタンスでは、t2.microで要件を満たせることがわかります。

Microsoft Azure Virtual Machines

12か月無料枠の対象でもあるBsシリーズでは、B1sで要件を満たせることがわかります。

Google Cloud Compute Engine

無料枠の対象でもあるE2マシンタイプでは、e2-microで要件を満たせることがわかります。

この他のクラウドサービスでも、プランの一覧ページを探して比較することで、利用すべきプランが見えてきます。

まとめ

クラウドを利用するために避けて通れない、サイジングの基本について挙げました。

クラウドサービスにはかなりの数の選択肢があり、入門される方にとっては迷ってしまうこともあると思います。

今回の内容が選択の参考になれば幸いです。


「キャリテク!」は未経験者を対象とした採用枠があり、入社後もしっかりした研修カリキュラム、そして未経験者が成長の軌道に乗りやすい仕組みがあります。
興味がある方は以下のセミナーに参加してみてください。
https://www.altx.co.jp/careetec/seminar/tokyo/

過去の連載記事

  1. クラウドでゲームサーバーを立てよう(1)サービスの選び方
facebook シェアシェア
LINE シェアシェア